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住宅ローンの基礎知識

住宅ローンとは

住宅ローンとは、住宅を購入するために、当該住宅を担保にして金融機関から借りるお金のことです。 金融機関によって取扱商品や条件は様々ですので、自分に合ったローン商品を選ぶことが重要になってきます。

ローン用語の説明

住宅ローンに関する専門用語のうち、代表的なものを紹介します。これらが理解できていれば、金融機関との話にも困らないでしょう。

金利 優遇金利 変動金利・固定金利

金利とは、借入先に支払う利息の事です。通常年率で表しますので、仮に借入金額3000万円、利率1%だとしたら、年間の支払利息は30万円ということになります。 金利には、変動金利と固定金利があります。以下その特徴を見てみましょう。

<変動金利>

文字通り、借入期間中ずっと金利が変動するタイプです。適用金利は一般的には半年毎に見直され、返済額への反映は5年毎に行われます。 例えば27年1月に借入をした場合、初回の金利は1月の金利が適用されますが、7月になると7月の金利を適用金利として利息を再計算されます。 これを半年毎に行い、5年後の32年1月の時点で、変動の計算結果利息が少なくなっていれば返済額は下りますし、逆であれば上がります。 但し、返済額の改定は改定前金額の1.25倍が上限となりますので、返済額が10万円だった場合は、 金利が高騰しても次の改定では12万5千円以上にはなりません。その分、返済額の内訳で利息分が増えますので、 いつまでたっても元本が減らないという状況になりかねません(未払い利息が発生する場合もあります)。 上記の例ほどではないにせよ、その時期の経済動向によって、返済額が増減するというリスクがあります。 その分、同時期の固定金利よりは金利が低くなります。

<固定金利>

変動金利と違い、金利が固定されるタイプです。初めから終わりまで固定の全期間固定タイプ、 期間指定のタイプ(20年固定、10年固定、5年固定など)がありますが、固定期間が長いものほど金利が高くなります。 期間指定タイプの場合、固定期間終了後に再度固定にするか変動にするかを選ぶことになります(プランによって違いはあります)。 その際、金利は当然当該時期の金利が適用されます。期間終了後の金利引き下げ幅(優遇金利)がいくらになるのかも、 ローン選択時によく確認しておきましょう。

○メリットとデメリット

<変動金利>
(メリット)
 ・固定金利よりも金利が低い
 ・金利下降局面では支払い額が減少する

(デメリット)
 ・金利上昇局面では支払い額が増加する
 ・その結果、未払い利息の発生が起こりうる
 ・同時に、支払い不能に陥る可能性もある

<固定金利>
(メリット)
 ・固定期間中は支払額が一定なので、家計管理しやすい
 ・金利上昇局面でも、固定期間中は金利が上がらない

(デメリット)
 ・金利維持・下降局面では、変動金利に比べて損した気分になる

*金利上昇局面では、期間指定の固定金利でも期間終了時に適用される金利が高くなります。

大雑把に言うと、金利が上昇すると仮定するなら固定のほうが賢明、その逆なら変動のほうが賢明、となります。 しかし、将来の金利動向がどうなるかは誰にもわかりません。 そのため、安全を優先するなら固定金利、返済に余裕があるなら変動金利を選択する、というのが一般的でしょう。
次に、それぞれの金利がどういう人に向いているかをチェックしてみましょう。

<変動に向いている人>
 ・借入期間が短い人
 ・返済比率に余裕のある人
 ・繰上げ返済を前提に計画している人

<固定に向いている人>
 ・安全思考の人
 ・借入期間が長い人
 ・返済額が増えると生活設計に支障をきたす人

要するに、多少返済額が増加しても耐えられるかどうか、という点になります。 期間の長短は、短いほど金利変動リスクが少ないからです。 繰上げ返済も期間短縮型なら金利変動リスクを軽減できます。 なお、固定金利のデメリットの表現に気づかれたかもしれませんが、固定金利では損をすることはありません。 損をした気分になるだけです。大事なことは、損得思考で考えることではなく、家計を破綻させないようにすること、です。

<優遇金利>

店頭表示金利から差し引くことのできる数字。例えば、店頭金利が2.6%で優遇金利が-1.8%だとすると、適用金利は0.8%となる。 「当初〇年間のみ優遇金利〇%、以降×%」や、「初回固定期間終了後は優遇金利を〇%にする」など、期間中に変動する場合もあるので要注意。 また金融機関ごとに優遇条件等があるので、あらかじめチェックするのがよい。

借入期間

住宅ローンを借り入れる期間です。同じ額を借りる場合、期間が長いほど毎月の返済額は抑えられますが、トータルの支払金利は多くなります。

借入額 返済額

借入額とはローンを借りる総額で、返済額は毎月借入先に返済する金額です。

繰上げ返済

繰上げ返済とは、ローン返済期間中にローン残高の一部または全部を返済することです(全部返済する場合は繰上げ完済になります)。 一部を繰上げ返済した場合、その分残存期間を短くする(期間短縮)か、毎月の支払額を下げる(返済額軽減)事ができます。 金融機関によって適用の可否や手数料がことなりますので、はじめにしっかり確認しておきましょう。

団体信用生命保険

団体信用生命保険(団信)とは、ローン返済中に契約者が死亡した場合、残りの期間の返済が免除される保険です。 この保険があれば、家族に負担なく住居を残すことができます。 民間の金融機関では団信への加入が必須ですので、健康状態によっては住宅ローンの借り入れができない場合もあります。 なお、団信の保険料は殆どの民間金融機関の場合、金利に含まれています。

抵当権 差押え 競売

住宅ローンは物件を担保にすることが条件ですので、土地建物には抵当権が設定されます。 万一ローンの返済が滞った場合、最終的には当該物件は差し押さえられ、競売にかけられます。 こうなると家を失うことになりますので、滞納は絶対に避けなければなりません。

保証料

最近は住宅ローンの借り入れに連帯保証人を必要とするケースは少なくなりました。 ただその代わりに、保証会社への加入が義務付けられることがあります。 この場合、保証料を支払う必要があります。保証料はローン契約時(実行時)に一括で支払うケースもあれば、 金利に上乗せして毎月支払うケースもあります。また保証料がかからないかわりに事務手数料等の名目で費用を徴収する金融機関もありますので、 どういった費用がいつかかるのかは、あらかじめキチンと確認した上で契約しましょう。

ローン審査のポイント

金融機関がローン貸出しにあたり審査するポイントは、大別すると借り手に関することと、購入物件に関することです。それぞれ要点を見ていきましょう。

<借り手に関すること>

1、信用情報

1点目は、個人の信用情報です。具体的には、現在または過去において、他のローンやクレジットカードの支払い等が滞っていないか、 頻繁に遅延していないかということを調べられます。 こうした事故履歴があると、審査は非常に難しくなります。 ただ、軽微なものであれば問題ないと判断されることもあります(金融機関によって判断基準は違います)。 信用情報でNGとなるかどうかは事前審査でわかりますので、事前が通れば本審査で覆る可能性は極めて低いでしょう。 勿論、その間に状況が変われば別ですが。

2、健康状態

殆どの民間金融機関においては、団体信用生命保険(以下、団信)(別項参照)への加入が強制されます。 これは生命保険と同じ観点で審査されますので、健康状態が悪ければ、審査を通すことはできません。 金融機関によっては、通常の団信以外にも、ガン特約、三大疾病特約がついた手厚い団信や、審査基準が緩い団信などを利用できる場合があります。 健康状態によっては、基準の緩い団信で通すことができる場合もありますので、事前に金融機関の担当者と相談することが肝心です。 なお、団信加入においては告知書を提出することになりますが、虚偽記載があると万一のときに保険がおりませんので、くれぐれも注意してください。

3、年収、勤続年数、業種等

3点目は年収や勤続年数です。ここでいう年収は、額面(税金や年金、健康保険などを引く前の金額)で考えてください。 次項の返済比率で説明しますが、借入額と年収のバランスがあっているかがポイントとなります。 また、いくら年収が高くても、勤続1年目では審査は厳しくなります。その仕事についてからどれくらい経つのか、 収入は安定しているのか、頻繁に転職を繰り返していないか、などが判断材料となります。 転職して間もないタイミングだったとしても、前職からのキャリアアップが明確であればプラス評価してくれる場合もありますので、 必ずしも数値だけで判断されるわけではありません。自営業は会社勤めに比して、安定性の面で不利な評価を受けることがあります。 過去3年分の確定申告所得が安定しているか、事業自体は安定しているか、が重要なポイントとなります。 また、会社勤めにしても自営業にしても、有力な資格などを持っていると有利な場合がありますので、 プラス材料になりそうなものはすべて開示したほうがいいでしょう(無論、業務内容とまったく関係のない資格はあまり意味がありませんが)。

4、返済比率

返済比率とは、借り入れ希望額と年収のバランスで、より正確に言うと、年間の返済額の年収に対する割合です。例えば、次の例をご覧ください。


例、年収500万円 借入希望額3000万円


A.借入期間35年 
毎月返済額   115,455円
年間返済額 1,385,460円
返済比率       27.7%

B.借入期間20年
毎月返済額   166,379円
年間返済額 1,996,548円
返済比率       39.9%

このように、同じ年収、借入額であっても、期間が変われば返済額も返済比率も変わります。 この返済比率がどれくらいの割合かというのが審査対象になります。金融機関により基準に差はありますが、 年収400万円以下は30%、それ以上は35%くらいがラインとなることが多いでしょう。 ちなみに、返済比率を計算するときの金利は、店頭金利ではなく審査基準用の金利を用います。 これも金融機関によりまちまちですが(基本的に非公開)、現在は3~3.5%が一般的です。 もうひとつ注意点は、別のローンを返済中の場合(車のローンなど)、 その残債も年間返済額の計算に入れられます。心当たりのある方は、注意してください。

5、借入希望額と頭金

物件価格と諸費用の合計額に対して、頭金をどれだけ入れるか、借入額はいくらになるのか、これも重要なポイントです。 例えば、価格が3000万円、諸費用合計が250万円とします。 これに対して250万円を頭金(諸費用にあてる)、3000万円を借り入れるとすると、 いわゆるフルローン(価格分100%のローン)となります。3250万円すべて借り入れるとなるとオーバーローンとなります。 金融機関や利用するローンの種類によって、借入限度が物件価格の80%、90%、 100%と決まっている場合もありますので、フルやオーバーで計画する場合は、対応可能な金融機関を選択してください。

<物件に関すること>

1、担保価値

物件に関する最も重要な点は、その物件がどれだけ担保価値があるかということです。 この評価基準も金融機関によって差はありますが、基本的には公的な数値を根拠にします。 公的な評価ということは、土地に関してはまず公示価が一番に想起されますが、公示価は評価地点が限られていることから、 参考数値として見られる程度に過ぎません。一番重要なのは路線価です。 路線価に評価用の数値を掛け合わせて、それに土地面積を掛ける、というのが金融機関の土地評価の手法です。 建物に関しては、床面積と建築坪単価(評価用)、耐用年数残を掛け合わせて算出します。 木造の場合、税法上耐用年数は22年ですが、金融機関によっては20年でゼロとする場合もあります。 このため、中古住宅の場合、建物には担保価値がつかないこともしばしば起こります。 なお、担保価値と物件価格はまったく別物です。担保価値より安く買える場合もあれば、その反対もあります。

2、適法物件かどうか

新築住宅の場合、近年では建築確認、完了検査を必ず通さなければなりませんので、基本的に心配は要りません。 しかし中古住宅の場合は注意が必要です。特に京都市の場合、平成12年以前の物件は完了検査を受けていない物件が多いので、 いわゆる「違反建築」が少なくありません(無論平成12年以降の物件でも違反建築は大いに有り得ます)。 この場合の違反の殆どは、耐震基準や構造に関することではなく、条例指定の建ぺい率、容積率を超過しているというものです。 例えば、建ぺい率50%、容積率80%の地域であれば、土地20坪なら1階床面積は10坪まで、述べ床面積は16坪までしか建ちません。 しかしそれでは手狭だ、ということで、勝手に増築して床面積を増やしたり、初めから建築確認申請のプランを無視して大きな建物を建てたりすると 、立派な「違反物件」の完成です。例に当てはめると、1階床面積が15坪、述べ床面積が25坪とすると、建ぺい率は75%で25%超過、容積率は125%で45%超過となります。 京都は土地が狭い上、建築に関する規制が厳しいので、こうした違反物件がかなり多いのが現状です。 金融機関によって判断は分かれますが、違反物件には融資はしないというところもあれば、 違反率が10%までならOK、2~30%ならOK、50%までOK、と様々です。

3、再建築不可物件でないか

敷地が建築基準法上の道路に2m接していること、これを接道義務といいます。これを満たしていない土地は、原則建築や建替えはできません。そしてこういった物件にはローンが付かないことが殆どです(一部金融機関で再建築不可物件向けのローンを取り扱っている場合があります)。購入を検討している物件が再建築不可かどうかは、初期段階でチェックしましょう(物件資料等には明記されています)。



以上、人的要素と物的要素を見てきましたが、すべてを完全に満たしている必要はありません(無論それに越したことはないですが)。返済比率が少し足りなくても年収、勤続年数が安定している、担保価値が十分にある、違反物件であっても返済比率が十分確保できている、頭金などに余裕がある、など、総合的観点から判断されます。

「借りられる額」と「借りてもいい額」

住宅ローンを借りる上で最も重要な点は何でしょうか。それは、無事に完済することです。 不動産を購入する場合、物件価格以外にも後述するような諸費用がかかったり、引越し費用がかかったり、 家具家電調度品の新調をしたりと、関連する費用がいろいろと出てきます。 それ故、出来るだけ手元にお金を残しておきたいという考えが浮かび、必然的にローン頼りになってしまうことも少なくありません。 また、近年では物件価格全額を借り入れすることも可能ですし、場合によっては諸費用や改装費用まで含めて借り入れることも出来てしまいます。 こうした借り方をしたとしても、最後までキッチリ返済できるのであれば問題ありません。 ローン返済が家計にとって過大な負担にならないのであれば問題ありません。 しかし、少しでもいい物件を買いたいからといって、借りられるだけ借りる、というのは危険な行為でしょう。
「借りられる額」と、「実際に借りる額」は同じである必要はありません。 月々の返済が家計上ギリギリだとすると、不測の事態が起こったときにすぐに返済困難になってしまうでしょう。 ましてやそれが変動金利での借り入れなら、金利上昇という外的要因だけで家計は破綻してしまいます。 ライフプラン上で収入アップや負担の減少といったことが見込まれている場合もあれば、逆に収入減少、 負担増が見込まれている場合もあるでしょう。特に人生の三大支出である「住宅」「子育て」「老後」の内、 前二者は比較的近い時期に考えなければならない問題です。そういったライフイベントに沿うように、トータルでプランニングしなければなりません。 ライフプランは日々変化するものです。良くも悪くも必ずしも計画通り行くわけではありません。 そのため、都度見直し、修正をする必要があります。ローンもまた、家計管理の中で柔軟性を持てるように、 できるだけ余裕を持った組み方をすることをお勧めします。

住宅ローンを組んだ後の生命保険

団信の項で説明した通り、契約者に万一のことがあった場合はローン返済の必要がなくなります。 したがって、賃貸で家賃を払っているときと比べて、残された家族の必要とする保険金額に大きな差異ができるはずです。 住宅ローンを組んで住宅を購入した後は、是非必要保障額の再検討と、保険の見直しをしましょう。

お役立ち

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